2005年06月29日

日本の童話 桃太郎 【さ行抜き】

「さ行」と「ざ行」の不備

今回は言葉が足らないまま長文を書く訓練のため、日本の童話「桃太郎」をタイトルの通りの禁句でやってみた。お供のうち二匹の名前を書けぬのがつらいので、適当に当てはめたら他の生き物になった。

1 桃

遠い遠い過去、あるところに翁とおばばがおった。どこだがは分からぬ。翁は山へ薪拾いに、おばばは川へ衣類の洗い物に行った。おばばが川につくと、川上から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきた。おばばは驚きあわて、何となく桃を持ち帰った。


2 桃太郎

おばばは翁に桃の件を報告、翁は驚いたが、気を落ち着けて野太刀でもって桃をぶった切る。あはれ桃は真っ二つ。だが桃には、運良く両断を免れた赤ん坊が詰まっていた。これには翁もおばばも驚愕あるのみだった。ちょっと間をおいて気を落ち着けた翁は言った。

「この赤ん坊は天からの賜りものだ。桃に詰まっていたので、桃太郎と呼ぶ」


3 夜盗

時がたった。桃太郎は発育がよく、村一番のつわものとなった。
だがある日、村に夜盗が現れて放火強盗を働き、鬼と呼ばれ怖がられた。村人の何人かは天に昇り、女は連れて行かれた。夜盗はたびたび来た。これに桃太郎は怒った。

「きやつらめ、肉を食らっても足りぬは」

桃太郎は村人を呼んで討伐隊を組むつもりだったが、怖がって誰も来なかった。桃太郎はまたも怒った。だが怒ってばかりではどうにもならぬので、一人で夜盗討伐に向かった。村人は遠慮がちに見送った。


4 いぬ

怒りながら道を行くと、桃太郎は山犬の群れに囲まれた。桃太郎、ここで食われてはならぬと太刀を振り何匹かを斬り、山犬と向かい合う。

「犬ども、どけ。これより夜盗どもを討伐に行くのだ」

これに山犬の頭目が答えていわく

「夜盗討伐か。我々も縄張りに踏み入られ困っている。連れて行け」

犬どもは横っ腹につけたキビ団子を勝手に奪い取ると、問答無用で桃太郎についてきた。

inu.bmp
↑犬


5 ゴリラ

また旅を続ける桃太郎一行の前に、なにやら人に似て人にあらぬ者が現れた。かのものいはく

「旅の方、我は名前が使えない言葉を含むゆえ、我が何者なのか皆目分からぬ。どうか名前をつけかえていただきたい」

桃太郎、答えていはく

「お前の名前は分かる。だが喉に引っかかって出てこぬ。代わりにおのれの仲間の中で剛の者の名前をつける。おのれは今からゴリラだ」

桃太郎が名づけるや否や、人にあらぬものは山のように大きく膨れ、胸をたたいていはく

「おお、われはゴリラ、力が湧き上がってきた。このゴリラめもお供に」

LowlandGorilla.jpg
↑ローランドゴリラ


6 グリフォン

再び旅を続ける一行の前に、またもや名前の分からぬ鳥が現れた。桃太郎はピンときた。

「鳥よ、お前のことは分かっている。あまり強くなく、役に立つと思えない鳥だったと思う。だがおれはコツをつかんだ。強くなれるように名づけてやる。お前はグリフォンだ。異国に伝わる鳥どもの王よ」

「おお、前の名前と比べ物にならぬほど強くなったような。ありがたい。あなたについてゆこう」

180px-Griffon.png
↑グリフォン

ここに至って、桃太郎は負ける気が全く起きなくなった。意気揚々と夜盗討伐に向かった。


7 討伐

いぬ、ゴリラ、グリフォンを連れた桃太郎は、夜半、夜盗の砦にたどり着くなり、真っ向から戦いを挑んだ。桃太郎が門番を斬ると、グリフォンが櫓ごと見張りどもの首をもぎ取った。ゴリラが門をぶち破ると山犬の群れが砦に突入、夜盗どもの喉笛を食いちぎった。首が飛ぶ、腕が飛ぶ、胴が飛ぶ、砦はまるで阿鼻叫喚の巷となり、あはれ生き残りの夜盗どもは散り散りに逃げ散った。

明け方には逃げ散った夜盗どもの首も桃太郎の前に並べられ、砦も粉々になった。討伐は終わった。ただ村の女たちも何人かが砦と共に粉々になったのが悔やまれる。


8 大団円

とにかく桃太郎、いぬ、ゴリラ、グリフォンは、夜盗どもの略奪品と女たちをつれて村に戻った。
村人は半ば驚き、半ば喜んだ。
めでたいめでたい。
posted by ちんこ寺 at 02:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 昔話 b_entry.gif

2005年06月26日

チェブちゃんのシネマ

「か行とが行の不備」

本日ビデオでロシア製マペットシネマを見ました。無念にも使用不能の文字入りのため、題名を出すのは無理です。ただ主演のマペットはダンボのような耳を持つ茶色の正体不明の生命体(たぶん哺乳類)で、「チェブちゃん」などと呼ばれています。

「チェブちゃんのシネマ」は70年代、児童用に上映されたもので、チェブちゃんとその友達たちのやりとりを通じて人の優しさを伝えるマペットシネマです。当時のソ連で大ヒットし、今でも有名なようです。ディズニーランドにいる超有名ネズミのような存在なのでしょう。登場人物の愛らしいフォルム、ほのぼのとしつつ何となくさびしい印象を与える歌や映像は秀逸ですし、何よりもあふれ出る優しさに胸を打たれます。

また、児童用のマペットシネマであるのに、大人も楽しめる遊びの要素も多々あります。例えば、動物園の描写は大人向けの不条理な描写です。チェブちゃんの親友であるワニは、動物園に勤めており、その任務は「ワニの檻に入ってワニとして閲覧される」という内容です。ワニは定時になると、無造作につるしておいた私服を身にまとい、退出の段取りを踏んで退出します。そして一般市民として街に戻ります。

恐ろしいほどに不条理です。動物園で見られている動物は衣類を身にまとい、街で平然と歩いているのです。「チェブちゃんのシネマ」の住人にとって、動物園の存在する意味とは、動物の檻に入る意味とはなんなのだろうと思いわずらいました。動物園とは、人と共にいない普段見られない動物を見せ、学ばせる施設であるはずです。そういう大人のルールを無視して話はどんどん進みます。

「チェブちゃんのシネマ」の魅力は、お話にあふれる優しさや寂しさのみならず、その不条理さと登場人物の愛らしさの間にある、不自然なバランスにあるやも知れません。大人はその矛盾に新鮮味を覚え、児童は愛らしいマペットたちを純粋に愛するのと、たまに現れる不条理のパワーをなんとなしに察知して楽しむ部分もあるのだろうなあと思いました。

cheb.jpg
↑「チェブちゃんのシネマ」写真です。


「本日の不備で思う」
本日使用不能な文字のせいで、断定の助詞の大事な部分の使用不能に陥り、文字や文章の種類を減らさざるを得ない状態になった。使用不能な断定の助詞のみに悩む状態だった。他(た)の文字は使用不能でもさしたる問題はない。代替の文字を使用すればよい。
posted by ちんこ寺 at 23:46 | Comment(0) | TrackBack(1) | 鑑賞記 b_entry.gif

2005年06月25日

不備日報とは

「不備日報」とは、意図的に不備(特定の言葉の使用禁止など)を作り出して記事を書いていく実験ブログです。例えば「あ行の不備」などと書かれた記事では「あいうえお」を含む言葉が全て使えない状態で文章が書かれていることになります。非常にもどかしいブログです。

言葉の不備の中でブログを書くことにより、日本語の面白さを見つけたり、自分の語彙を広げたりできればいいなと思っています。


ためしにやってみます。上の文章を「あ行と長音の不備」つまり「あいうえお(を)ー」を禁止して書いてみます。


「不備日報 あ行と長音の不備」
このブログは、わざと禁句が設置されて日記が書かれる実験的ブログです。分かりやすく述べると、「『か』から続く5文字の不備」などと書かれた記事では「かきくけこ」が含まれる言葉が全て忘れ去られた形で日記がかかれることになります。かなりもどかしく感じられるブログです。

言葉の不備の中でブログが書かれることにより、日本語の良さや深さがみつけられたり、自分の言葉の知識の広さが広げられればと夢見てます。
posted by ちんこ寺 at 21:27 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 b_entry.gif

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