2005年07月03日

かぐや姫 【た行抜き】

1 孟宗の翁

ここに翁がおる。孟宗刈りの翁なり。ある日、翁は孟宗の林に入り、刈りごろの孟宗を探しあぐねながら、光る孟宗を発見せり。翁、大いにびっくりする。光る部位を試みに斬る。さすれば中には白刃を免れ幸運にも傷のない三寸くらいの女の子がおる。翁は驚愕し、女の子をおんぶし帰る。


2 姫
娘は成人するのに12週間しかかからずにきれいな女の子になりおる。命名「かぐや姫」。かぐや姫のこの世のものならぬ美は周囲の男(おのこ)を魅は了し、言い寄る者数知れず。なかんずく言い寄りおるのは5人の貴族なり。姫は大いに迷惑する。


3 試練
5人の貴族は言い寄る。「結婚せえへんか」
しかしかぐや姫は、こんなやからの求婚は迷惑千万、無理な条件を投げかける。
かぐや姫曰く、「釈迦の石の容器、蓬莱の宝玉の木の切れ端、火鼠の皮衣、龍の頸の宝玉、飛燕の子安貝、これらのもの用意すれば結婚する。なお、飛燕は三式戦にあらず」これらは皆、この世に無い架空の物。しかし5人の貴族、好色家の名にかけて試練に向かう。


4 釈迦の石の容器
この試練に向かう貴族は釈迦の石を探し海を越え、唐土(もろこし)、シャム、ビルマをさまよう。さまよいながら人生の虚しさに思うものあり、釈迦の教えに生きる喜びを選ぶ。かぐや姫なぞ忘れ、ビルマに骨をうずめる。


5 蓬莱の宝玉の木の切れ端
そんなものは端からないのを知る貴族は、創作意欲に燃え、自ら設計し、職人に製作させる。意気揚々、姫に見せるも、偽物呼ばわりされ大いに怒る。「わしの作品が気に入らん者なぞ嫁にもらう気はない」
その後、彼は美に目覚め、「ピアノに寄る少女たち」「風景の中の裸婦」を描き上げる。その後も印象派の巨匠に目され、平安貴族界の鬼才の名をほしいままにする。


6 火鼠の皮衣
皮衣製作をもくろみ何回もねずみを焼くが、うまくいかぬ。試行錯誤の苦しみの中に、ねずみへの贖罪の念を抱くようになる貴族はアメリカへ行き、ロサンゼルス近郊のアナハイムに、ねずみの楽園を開く。


7 龍の頸の宝玉
数々の冒険の末、宝玉を7個そろえ、龍にお願いし不老不死を入手。しかしそのおかげで、不死のまま世界を永遠にさまよう羽目になる。最後の目撃例は1542年のハンブルクの司教。


8 飛燕の子安貝
この貴族は、戦局挽回を期して三式戦「飛燕」を製作。液冷式エンジンの最新鋭軍事用飛行機を世に送る。1945年、沖縄上空に戦死する。


9 衛星
求婚者もいなくなり数年。猛暑の時期にかぐや姫は浮かぬ顔。心配する翁に、かぐや姫曰く、
「我はこの星の衛星に住む者なり。もうすぐ迎えが来る。それが悲しい」
翁は驚愕する。娘はねじが外れしか?


10 遭遇
その日、かぐや姫が衛星に帰るのを見に野次馬が黒山のように翁の家近辺に集合。またUFO評論家勢ぞろいし、今夜来るのは何式UFOぞ、喧々諤々の議論になる。翁や姫をはじめ、空を見上げること数時間におよび、空に異変が起きる。空中に光る何かが見えるや否や、金属の船が翁の家に落下する。衛星降下に失敗せるアポロ13号なり。かぐや姫は落下に巻き込まれ、死せり。しかし、この奇跡の生還は、「輝かしい失敗」の栄誉を受け、人類史を飾るものになる。


終章 不時の山
そのころ日本最高の標高を誇る山にも船が緊急落下せり。ミールなり。それ以降、かの山は「不時の山」の名を受ける。
posted by ちんこ寺 at 20:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 昔話 b_entry.gif

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