2005年07月15日

日本の昔話 鶴と青鬼と間に合わなかった赤鬼【や行抜き】

おめかしして恩返しをするつもりが、なたを振り回す男に追いかけられた鶴は、必死の思いで山に逃げ込み、泣きぬれた。しかしいつまでも泣いていられぬ、何かが間違っていたに違いないと思い直した鶴は、近くの山林に住む知り合いに知恵を借りることにした。


鶴が当てにした知人とは、山奥に住みそのいかつい顔つきから、村人の間で「青鬼」と恐れられている男である。同じ村八分の境遇の青鬼ならば何かいい知恵をもらえるのではないかと鶴は考えていた。早速相談すると、親切な青鬼は一計を案じた。
「この青鬼が村を荒らす。そこで鶴どのに出てきてもらい、村人達の前でこの青鬼を追い払えば、村人の尊敬を集めることができ、恩返しもできるのではないか?」

まるっきりマッチポンプだし、第一に鶴には青鬼を倒す腕力など無いので、芝居を打つにも不自然だ。鶴は不安がった。しかし、いくら二人で頭をひねっても、それ以外特に策が思いつかぬので、早速計画を実行に移すことにした。


しかし計画はうまくいかなかった。目指す村を間違えた青鬼は、別の村で暴れた挙句、村に住む鶴そっくりな若い女の息吹で凍らされた。遅れて到着した鶴が見たものは、自分に瓜二つの女にカチンコチンに凍らされた青鬼の姿だった。

鶴は怖くなって逃げ出した。何もかも忘れて南へ行こう、変なことに首を突っ込んだ私が馬鹿だったと思い、鶴は南の湿原へと飛んでいった。
それ以来、村の沼地には鶴が一羽も来なくなったそうな。


一方、誰もいなくなった青鬼のもとに、もう一人の訪問者が来ていた。桃太郎に滅ぼされた夜盗の残党である。彼は己が血で真っ赤になりながら、青鬼にかくまってもらおうと命からがら逃げてきたのだ。

しかし、青鬼は恐ろしい氷の精によって凍らされ、無残な姿に成り果てていた。なんてことだ、もうじきあの化け物たちが追ってくるかもしれないのに、自分は孤立無援だ。夜盗の残党は青鬼の氷の前で泣いた。


ところで村人に自分の身元を気づかれずに青鬼を始末した氷の精は、それからも幸せに村で暮らしました。めでたしめでたし。
posted by ちんこ寺 at 02:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 昔話 b_entry.gif

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