×小笠原鳥類
ここでは言葉がただの道具としてではなく、その用途と無関係に、純粋に鑑賞されるものとして展示されています。言葉の価値がすごく高い状態で展示されているんです。こういうものを無料で見られるというのはものすごく贅沢なことだと思ったので、この人の著書を買いました。
この詩集はさらにすごいです。無料版と有料版の違いというべきでしょうか。私はいつもこの詩集を、画集を眺めるようにパラパラめくって読むというか眺めるのが好きなのですが、この詩集を読むと、普段は記号としての価値しか持たされていない言葉がその束縛から解放されて、言葉の本来の色彩というか味わいというものが、著者の絶妙なセンスでブレンドされて、まるでミラーボールが超高速回転しているような輝きを放っています。
特に頭に残ったフレーズは「金属のテリーヌ」と「殺さない電気殺害動物・孔雀(クジャク)」であり、頭にこびりついて離れません。また、作品単位でのお気に入りは「腐敗水族館」で、一番多く読みました。
上記の「×小笠原鳥類」というブログは、言葉の価値について知り尽くしている人が書いているブログです。言葉の価値について通り一遍の理解で済ますのでなくて、きちんと体感したい人は是非見に行って欲しいと思います。