家の近くの本屋の河出文庫のコーナーでたまたま澁澤龍彦訳のサド侯爵シリーズを見つけたんですが、立ち読みしてみると、本当にすごいですね。何かすごすぎて、満足に著作を読みきってもいないのにその感動を不特定多数の人に知らせたくて書き始めました。サド侯爵という人物についてはWikipediaを見てください。
サド侯爵の本はまだ何冊かをちょこっと立ち読みし、一冊買って読み始めただけなので、詳しく書くことはできませんが、一番印象に残ったのは「ソドム百二十日」という作品の中で、延々と登場人物の陰茎の差し渡しの長さと直径、または外見上の特徴を書き連ねている部分です。はじめてみたときはびっくりしましたよ。こんなにひどい着眼点でものを書く人間が200年以上前にいたということに、自分が人類であることに誇りをもてる気持ちにさせられました。
また、少し読み進めてみてわかったのですが、このサド侯爵という人物はただの変態ではなく、当時としては非常に先進的なものの考え方をする人物だというのが何となくわかってきたんです。登場人物の言うもはばかられるいかがわしい言動の中に、非常に近代的なものの見方がちらほら現れているんです。先日買った「閨房哲学」のなかでも無神論について登場人物が半裸でいかがわしいことをしながら語りだす場面があるのですが、その内容の深さに驚きました。詳しく言いませんがとにかくすごいなと思ったんです。ただの変態じゃないです。
はじめはサド侯爵本をいくつか立ち読みしてその変態さ加減に驚いて買ってしまった「閨房哲学」という本ですが、これは想像以上にすごい本を発見することができたのではないかと今からわくわくしています。読み終えた後にまた書く気になったら、ぜひともこのブログに書いて、自分の感動と発見を再び不特定多数の人たちに知らせたいと思います。
なにやら人を魅了するエナジーがある方のようですね・・・サド侯爵。
私もサドマゾチズムは少しばかり興味があります。
また、マルキ・ド・サドの長編は、冗長すぎるのも特徴で、いきなり一冊を最後まで読もうとすると、途中で嫌になる事があると思われます。自分がそうでした。
サドの思想や人となりについては、渋澤龍彦著『サド侯爵の手紙』(ちくま文庫)が、読みやすく、お勧めします。私の場合、これを読んだら一気に、サドが「普通のおっさんやん」になりました。
「閨房哲学」を読んでいると、途中で登場人物が思想的なことを語る場面がちょくちょく出てくるのですが、それを読むと至極真っ当なことを言っているように思います。たぶんその気になれば世間一般に受けの良いものをいくらでも書ける人だったんでしょう。