2005年07月06日

昔話 つる地蔵 【な行抜き】

むかしむかし、傘売りお爺さんがいました。ある日、お爺さんはいつも通り売れ残った傘を持って雪道を帰りました。途中、トラバサミが引っ掛かって身動きが取れずもがく鶴を見つけました。
「あはれあはれ、雪が積もって寒そうじゃ。」
お爺さんは鶴を覆う雪を払い、傘を被せてあげました。お爺さんは老眼で、トラバサミがよく見えませんでした。しばらくして、鶴は凍死しました。凍死する直前、鶴は思いました。「トラバサミを外してくれ」

ところで、お爺さんは帰ると早速、お婆さんを相手取り、鶴救出劇を話しました。お婆さんは言いました。
「それはそれは、良い事をしました」
お爺さんはいいました。
「ただ今日も傘は売れず。これでは年を越せるか心配じゃ」
さして心配あらずという様子でいいました。二人はしばらく年をこせるか心配する様子でしたが、考えても無駄と思い、二人はたくわんをポリポリ食べ、お湯をすすって寝ました。お爺さんはお茶で口をすすぐ癖がありました。

深夜、二人は戸を叩く音で起きました。
「どうしたことだ、もう深夜じゃよ」
不審がって戸を開けると、お坊さんたちがいました。服装から旅行中だと分かりました。
「雪で迷いました。一晩泊めてください」
「それはお困りでしょう。たいした食べ物もありませんが、寝所はあります。おはいり下さい」
お爺さんはお坊さん達を泊めてあげました。お坊さん達は御礼をいいました。
「ありがとうございます、助かります。ただ寝所は絶対、除かないで下さい」
奇妙でしたが、お爺さんは了承しました。もともと深く考えないお爺さんです。不思議を感じてもすぐ忘れました。

さてお坊さん達が寝所に入ってしばらくすると、ゴットンゴットンと、石が倒れる音がします。お爺さんは恐ろしさと心配さ半々で寝所を垣間見ました。するとどうしたことでしょう。さっきまでいたお坊さん達はおらず、部屋一帯、お地蔵様が転がっていました。お爺さんは驚きました。
「おお、ありがたや。功徳を積まれたお坊様たちが、お地蔵様へと変化されたか」
超常現象を信じるお爺さんは感激し、お地蔵様を祀り、おばあさんと毎晩拝みました。
めでたしめでたし。


次回へと続く。




posted by ちんこ寺 at 02:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 昔話 b_entry.gif
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